お金を使う力を考えるバナナ

お金の使い方について悩み続けているバナナが感じたことを書いています

本当に有益?欲しいモノ、やりたいことの効用

皆さんは、書籍「DIE WITH ZERO」を読んだことはありますか?

爆発的にヒットした本なので、このブログを読んでくださっている方はすでに読んだことがあるという方も多いと思います。

 

 

しかし、僕の中で「やりたいこと、欲しいものを追い求めるのが本当に有益なのか?」という観点が引っかかっていて、まだ素直に「DIE WITH ZERO」を実践して良いのかどうかの判断がついていません。

 

誤解の無いように最初に申し上げておきますが、僕自身も「DIE WITH ZERO」を読んだことがありますし、少なからず感銘を受けています。

 

この記事が「DIE WITH ZERO」に影響を受けた方やすでに実践している方の新たな気付きになれば幸いです。

 

「DIE WITH ZERO」は欲望の奴隷?

「DIE WITH ZERO」は簡単に言えば、やりたいことや欲しいものは我慢しすぎずに今やってしまおう!そして死ぬまでに稼いだお金を全部使い切ろう!という考え方です。

ですがそれが本当に有益かどうかはわかりません。

 

古代ギリシャの哲学者のクセノポンは、ソクラテスとクリトブロスの架空の会話にてこれを端的に表しています。

 

ソクラテス 

「財産とはそのことから利益を得ることが出来るモノ。男が女を金で買って、そのせいで体も心も財産も台無しになったとしたら、金銭はこの男にとって有益と言えるのか?」

「使いかたを知らないなら、お金は遠ざけておくことだよ。そして財産とは考えない事だ。」

 

この文章は非常に示唆に富んでいます。

この考え方は現代にも当てはまり、「DIE WITH ZERO」を目指すこと自体が、より良い人生を壊す可能性があるのなら0で死ぬ事なんて考えなくてもいいのかもしれません。

 

 

稼いだお金は勿体ないから死ぬまでに全部使ってしまおう!というのはまさに現代的な大量消費社会の考え方です。

 

お金があっても無くても生きたいように生きるのが本当の自由であり、お金があるから使おう=お金に人生の主導権を握られている状態と言えます。

そういった人にとって金銭は有益でしょうか?

 

お金が無さすぎるのもお金に人生を縛られた生き方しかできなくなります。

今日のご飯が食べられないのであれば、どんな仕事でも受け入れるしかありません。

ですが、じゅうぶんなお金があってもお金に支配されている人生を生きている人は大勢います。

 

過度に貯蓄しすぎている現代人には、「DIE WITH ZERO」の考え方は、生き方を見つめ直すいいきっかけになると思います。

ですが、「DIE WITH ZERO」ばかりに染まってしまうと、せっかくお金を稼いでも、また違った形でお金に人生を支配されてしまうかもしれません。